◎アロマトリートメントでストレス対策 鍼灸、指圧、按摩、西洋式マッサージ、柔道整復は全て被施術者の体に触れるか道具を用いて筋肉やツボを刺激する方法で肉体的なストレスを和らげるための手技となります。しかし、自由な発想で施術法を組み合わせる事が出来る整体の世界では気功法やアロマトリートメントなど直接体に触れる事無く精神的なストレスの緩和を促す方法も存在しています。中にはその効果の程を疑う人も居るかもしれませんが、五感は脳に直接刺激を送るものですので、アロマトリートメントの様に香り(嗅覚)を利用して脳が感じているストレスを緩和させる方法というのは理にかなっていると言えます。 ・香りのもたらす作用=記憶を引き出します。 人には五感(触覚、嗅覚、味覚、視覚、聴覚)があります。アロマセラピーは、エッセンシャルオイルなど香りの強い精油を用いて脳に刺激を加える方法になります。一見すると眉唾と思われがちですが、香りにはいろいろな作用があり、その効果は思いのほか大きいものなのです。そんな香りが、もたらす作用の一つが記憶にまつわる効果です。人の脳は巨大なデータバンクと言われています。一度見聞きしたり、体験した物は脳の中で優先順位が付けられ記憶の保管庫にしまい込まれます。この時一度しまわれた記憶を引き出す鍵となるのが香りなのです。 移り変わりの激しい世の中で、記憶を追体験するというのは中々難しいものですが、キンモクセイの香りを嗅ぐと幼い時の記憶が蘇ったという経験をした人も多いと思います。今でこそ観賞用として栽培されているキンモクセイですが、昔のように下水道が発達していなかった昭和40年代ころまではトイレの側に必ずと言ってよい程植えられていて至る所で目にする植物でした。この頃に幼少期を過ごした40代後半の人より年配になると、キンモクセイの香りを嗅ぐと小さい頃の記憶が芋づる式に蘇るという人も少なくありません。同様に脳は記憶を引き出す鍵として香りを利用する事が非常に多いのです。 ・香りのもたらす作用=精神状態を左右します。 お線香に良く用いられている白檀の香りには鎮静作用があると言われています。お線香は煙による魔除けの意味があるのですが、そこに白檀が練り込まれているのは参拝者の精神を落ち着かせるためだと言われています。又、ミントやレモンのさわやかな香りには気分をリフレッシュさせる作用があり、バニラやチョコレートの甘い香りは気分を高揚させると言われています。また生ゴミの臭いや腐乱臭はみんなが不快な気分になりますよね。このように香りには人の精神状態を左右させる強い作用があるのです。 アロマセラピーは、香りの持つ精神作用と記憶を制御する作用を応用した療法になります。香りの好みは人それぞれですが、良い香りは気分を良くし(興奮若しくは鎮静作用)、嫌な臭いには気分を悪くさせる作用があるのは誰にも共通する傾向なので、香りを分類してその人の精神状態と記憶にダイレクトにアプローチする方法が行なわれます。ミント系の香りは気分を爽快にしてくれるだけでなく、強い殺菌作用があるという事を知識として知っていればミントの香りを嗅いだだけで抵抗力が向上するというデータがあるのです。これを利用してミントは、殺菌作用があるという事を刷り込ませるためにアロマオイルの説明を施術毎に行なう事で、実感の度合いが高まってくるというわけです。 柑橘系の香りは唾液腺を刺激する作用があるため、ドライマウスで歯周病や虫歯になりやすく口臭も強い人にはミント系の香りと柑橘系の香りをブレンドした精油を用いるなどの方法がとられます。ウッド系の香りには気分を落ち着かせる作用があるのと、スパイスの香りには血流量を増加させるという作用があるため、肩こりや腰痛など慢性的な筋肉疲労症状にはこれらをブレンドした香りを使い、リラックスした状態でアロマトリートメントを受けると整体の効果が相乗的に向上することも知られています。 ◎更年期障害には、アロマトリートメントがおすすめです。 更年期にさしかかると女性ホルモンの分泌が段々減少してくることから不定愁訴と呼ばれる様々な症状が出てきます。身体的な症状としてのぼせ、ほてり、だるさ、頭痛、冷え性、めまい、手足のむくみ、肩こり、腰痛、肌荒れ、肌の乾燥など精神的な症状やる気が起きない、不眠、憂うつ、不安感、イライラなどが挙げられます。これらの症状は病気ではないものの、人によっては日常生活に支障をきたすほど辛さを感じる事もあります。でもイライラするくらいで病院なんて。と放置してしまっている人も多いかもしれません。もしくは年齢的なものだから仕方ないとあきらめてしまう事もあるのではありませんか。 そんな時こそ自分にあったアロマで不調を改善して欲しいのです。アロマセラピーで使う精油にはホルモンバランスを整えるなど様々な働きがありこれらの辛い症状を和らげてくれます。精油は主に水素と炭素からできた有機化合物です。香り自体は目には見えませんが分子として空気中に存在しています。お花の甘い香りも樹木系のすっきりした香りも基本は水素と炭素です。その香りの分子が鼻に入ると「いい香りだな」と脳が認識します。鼻から入った香りの分子は途中で電気信号に変わり嗅神経を通って脳の奥深くにある大脳辺縁系というところに届きます。大脳辺縁系は、考える脳である大脳新皮質と違って感じる脳です。理屈抜きで快、不快を感じるのはこの大脳辺縁系がそれを判断するためで、香りもその人によって感じ方が違いますよね。それは脳に届いた時の受け止め方が違うためです。 香りと更年期の関係は、この大脳辺縁系に秘密があります。大脳辺縁系には自律神経を司る視床下部やホルモンバランスを司る下垂体といった部位があり、香りがここに直接届くことでホルモンバランスや自律神経のバランスを整えることが出来るのです。精油には、エストロゲン様作用といって女性ホルモンと似た働きをするものがあり、その精油の香りを嗅ぐと自然とホルモンバランスが整ってくるので女性の不調を改善するのに役立ちます。その他にも痛みを和らげたりイライラを鎮めるなど更年期障害の諸症状を緩和する作用が色々あります。症状によってうまく使い分ければ辛さも和らいでいく事でしょう。 アロマセラピーは自然治癒力を高めます。 アロマセラピーは代替療法とか自然療法とも呼ばれますが植物の力を借りて心と身体が本来あるべき姿に戻してく健康法です。西洋医学はピンポイントでその症状を解消することを目指しますが、アロマセラピーは体全体を見ながら使う精油を選んでいきます。ヨーロッパが発祥の物ですが東洋の漢方と通じるものがあります。頭が痛い時に痛み止めの作用があるものを使うというだけなく、心の緊張をほぐすことで痛みを和らげていくというような使い方もあります。 起きている症状だけにフォーカスするのではなく、今心身がどのような状態にあるのかという事を考えながらケアしていくことで、体自体が健康になろうとする力を取り戻すのがアロマセラピーの素晴らしいところです。ストレスを和らげることで免疫力の向上などにも役立ちます。更年期障害についてもその症状の感じ方、辛さは人それぞれです。少しでも本来のベストな状態に持っていくためにアロマセラピーが役に立ちます。
top of page
bottom of page
Comments